実習実施者の責務及び役割

技能実習法では、実習実施者は、技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護について技能実習を行わせる者としての責任を自覚し、基本理念にのっとり、技能実習を行わせる環境の整備に努めるとともに、国及び地方公共団体が講ずる施策に協力しなければならないとされています。

技能実習計画の認定申請

実習実施者は、受け入れようとする技能実習生ごとに、監理団体の指導に基づいて技能実習計画を作成し、外国人技能実習機構から認定を受ける必要があり、技能実習計画に記載しなければならない事項や申請の際の添付書類が、技能実習法及びその関連法令に定められています。
技能実習計画は、技能実習生ごとに、「第1号」「第2号」「第3号」の区分を設けて認定を受けなければならず、特に「第3号」の技能実習計画に関しては、実習実施者の優良性が認定の基準となります。

日本シルバーサポート協同組合では、技能実習開始予定日の○ヶ月前までに外国人技能実習機構に対して申請を行います。

実習実施者は、初めて技能実習生を受入れて実際に技能実習を行わせた際には、遅滞なく外国人技能実習機構の地方事務所・支所の認定課に対し実習実施者の届出をしなければなりません。
日本シルバーサポート協同組合では、技能実習開始予定日の約○週間前にご案内いたします。

帳簿書類の作成と保管

実習実施者は、以下の帳簿書類を作成し、技能実習を行わせた事業所に備え付けておかなければなりません。
保管期間は、帳簿書類のもととなる技能実習の終了日から1年間(1号・2号分を帰国後1年間)となっております。

  • 技能実習生の管理簿(技能実習生の名簿、履歴書、雇用契約書・条件書、賃金台帳・出勤簿等の待遇に係る記載がされた書類)
  • 計画認定の履行状況に係る管理簿(フォーマット有)
  • 技能実習生に従業させた業務及び技能実習生に対する指導の内容を記録した日誌(技能実習日誌)
  • その他特定の職種の場合、法務大臣及び厚生労働大臣が告示で定める書類定技能1号 (介護)

技能実習責任者、技能実習指導員、生活指導員の選任

技能実習責任者とは

  • 技能実習指導員、生活指導員等を監督できる立場
  • 過去3年以内に技能実習責任者養成講習を修了
  • 常勤の役職員

技能実習指導員、生活指導員その他の技能実習に関与する職員の監督を担います。技能実習の進捗状況の管理はもとより、以下の事項に関する統括管理を求められます。

  • 技能実習計画の作成
  • 技能実習生が修得等をした技能等の評価
  • 法務大臣及び厚生労働大臣若しくは機構又は監理団体に対する届出、報告、通知その他の手続
  • 帳簿書類の作成・保管、実施状況報告書の作成
  • 技能実習生の受入れの準備
  • 監理団体との連絡調整
  • 技能実習生の保護
  • 技能実習生の労働条件、産業安全及び労働衛生
  • 国及び地方公共団体の関係機関、機構その他関係機関との連絡調整

技能実習指導員とは

  • 受入れ事業所の常勤職員
  • 実習職種について、5年以上の経験者

 技能実習計画に沿った技能実習の指導を担います。毎日の技能実習日誌の記入をし、技能実習の目標の達成状況を公正に確認することが求められます。実習職種や環境ごとに1名以上必要です。

生活指導員とは

  • 受入れ事業所の常勤職員

技能実習そのものを除く実習生の生活面の管理・指導を担います。技能実習生の生活状況を把握し、技能実習生からの相談に乗るなど技能実習生が技能実習に専念できる環境づくりを行うことが求められます。

技能実習生の技能評価の実施

技能実習が終了したときに到達すべき技能等について、「第1号技能実習」から「第3号技能実習」の各段階において目標を定めなければなりません。
第1号技能実習の修了時、第2号技能実習に移行する予定がある場合には、技能検定又は技能実習評価試験の実技試験と学科試験の受験が必須とされ、基礎級相当の合格を目標としなければなりません。第2号技能実習の修了時には、技能検定等の実技試験の受験が必須とされ、3級相当の実技試験の合格を目標としなければなりません。第3号技能実習の修了時には、技能検定等の実技試験の受験が必須とされ、2級相当の合格を目標としなければなりません。

区分 技能等の到達目標 受検時期 (推奨) 備考
第1号技能実習 技能検定 基礎級
(技能評価試験 初級)
第1号技能実習
修了3か月前まで
実技試験+学科試験
必須
第2号技能実習 技能検定 3級
(技能評価試験 専門級)
第2号技能実習
修了6か月前まで
実技試験必須
第3号技能実習 技能検定 2級
(技能評価試験 上級)
第3号技能実習
修了まで
実技試験必須

技能実習生の待遇の確保

報酬

技能実習生と同程度の技能等を有する日本人労働者がいる場合は、技能実習生の任される職務内容や責任の程度がその日本人労働者と同等であることを説明した 上で報酬額を決定します。同程度の技能等を有する日本人労働者がいない場合は、賃金規程に照らした個々の企業の報酬体系の観点から説明するほか、技能実習生の職務内容や責任の程度が最も近い日本人労働者と比べてどのように異なるかという観点から、説明を行うこととなります。

宿舎

実習実施者は、技能実習生のための適切な宿泊施設を確保しなければなりません。また、適切な宿泊施設として以下の事項が確認できることが必要です。

宿泊視察確認事項

  • 安全面及び衛生面に関する措置を講じていること
  • 2階以上の寝室に寄宿する建物には、2箇所以上(収容人数15人未満は1箇所)の階段を設ける措置を講じていること
  • 消火設備を設置する措置を講じていること
  • 寝室については、床の間・押入れを除き、1人当たり4.5㎡を確保することとし、個人別の私有物収納設備、室面積の7分の1以上の有効採光面積を有する窓及び採暖の設備を設ける措置を講じていること
  • 就眠時間を異にする2組以上の技能実習生がいる場合は、寝室を別にする措置を講じていること
  • 他に利用し得るトイレ、洗面所、洗濯場、浴場のない場合には、当該施設を設けることとし、施設内を清潔にする措置を講じていること
  • (宿泊施設が労働基準法第10章に規定する「事業の付属寄宿舎」に該当する場合) 同章で定められた寄宿舎規則の届出等を行っており、又は速やかに行うこととしていること